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かかった手間は、
そのままおいしさに
表れる

槌屋 初音さん(山梨県笛吹市一宮町)

主に生産されているものはなんですか?
夏場は桃を生産していますが、秋から冬にかけて枯露柿を生産しています。

枯露柿の生産工程を教えていただけますか?
私の家では、柿の生産から行なっています。
この辺りでは枯露柿には百目柿という品種を使います。
木から収穫した実を2~3日寝かせてから皮を剥きます。
その後タコ糸を使って竹の棒に吊るし、硫黄で1時間ほど燻します。
そのまま少し休ませたら、自然の風に当たるように、屋根の下に干します。
干してから20日間経ったら、一度実を揉んでいきます。
それからまた2日経ったら、今度はシートの上に下ろして、ひっくり返しながら1週間ほど実を揉みます。
形を整えながら、触った手触りで完成を確認します。

生産工程の中で、ポイントはありますか?
まず、収穫して2~3日寝かせるのは、皮が剥きやすくなるからです。
機械で皮むきするところもあるみたいですが、私はやっぱり実に傷がついたりつぶれたりするのが心配なので、一つ一つ手で剥くことを続けています。
それから、最初に干してから20日間は手を出さないこと。
気になって乾燥具合を確かめたくなる時もありますが、早めに揉んでしまうと渋みが残ってしまうので、絶対に手を出しません。
20日経ったら、種の周りの繊維を切るようなイメージで揉んでいきます。
強く揉み過ぎるとつぶれてしまったり干しているうちに割れて落ちてしまったりするので、力加減はポイントですね。
言葉で説明するのは難しいですが(笑)。

この地区は枯露柿作りが盛んですが、理由はなんでしょうか?
ここは標高が高くて風あたりが強い地域です。
いい風が吹くので、柿を乾燥させるのには適しているんでしょうね。
昔は組合があったくらい多くの生産者がいたのですが、今では20軒くらいに減ってきています。
少し寂しいですけど、楽な作業ではないので仕方ないですかね。

これまで生産してきて、うれしかったことはありますか?
「柿の出来は一年おき」とよく言います。
豊作だった年の翌年は不作になってしまう傾向があるんです。
ところが、あるとき2年連続で不作という年があり、出荷できなかったんです。
毎年ご購入いただいていたお客さまにも、他の生産者の方からご購入いただくようお願いしたときは辛かったし悔しかったですね。
でも、3年目に豊作となり、出荷できる状態になった時に、そのお客さまからご連絡いただいて、「やっぱり槌屋さんの枯露柿じゃないとダメだわ。今年の出来はどう?」とおっしゃっていただいたんです。
この時は涙が出るほどうれしかったです。
こうして生産を続けていられるのはお客さまに喜んでいただきたいという気持ちがあるからですね。

購入者にどんな点を見てほしいですか?
干し柿は通常乾燥しやすいように小さめの柿を使う地域が多いみたいです。
でもこの辺りは百目柿という大きな柿を使うので、乾燥するまでに時間がかかるし、外から触って内側の乾燥具合を判断するのが難しいというデメリットがあります。
でも、そういった手間と時間がかかる分おいしいんでしょうね。
ぜひ多くの方にお試しいただきたいです。

栽培品種

  • 甲州百目